the Making of Dragon Head visual Effects

火山の隆起と噴火シーケンス 映画「ドラゴンヘッド」火山の出現
映画『ドラゴンヘッド』のラストシーケンスから、東京に出現する巨大な火山の制作過程を紹介します。

*映画『ドラゴンヘッド』は2003年8月30日より全国ロードショウ公開されました。
火山の隆起と噴火シーケンス

火山はどこに出現するのか
最初に問題となったのは、火山はどのくらいの大きさで、どこに出現するのか?ということでした。設定では富士山級の火山というだけで、場所などは明確になっていません。そこで主人公の立ち位置から逆算し、地図を使ってシミュレーションを行いました。

主人公は渋谷の道玄坂の上から火山の出現を目撃します。カメラを設定上の位置に配置し、約3000メートルの山がフレームに収まる位置を探しました。その結果、葛飾区の新小岩近辺を山頂とすることにしました。
地図を変型させてシミュレーション

火山の隆起表現
次に問題となったのは火山の隆起表現です。リアルな表現を目指す場合は現実に沿ったプロセスを踏襲するのが基本です。そこで最初は噴出した溶岩などが堆積するように制作したのですが、短い秒数で行うと非常に陳腐な表現となってしまいました。オフライン編集の長さに合わせると、約6秒で3000メートルの隆起をしなければなりません。このスピードは音速を超えており、現実的ではありません。そこでなるべく変化を抑え、素直に下から隆起することにしました。ただし、単純にスケールを変化させただけに見えてしまうとリアリティーが無くなるので、隆起する過程で部分的に隆起スピードを変えたり、中心から外側に向かって若干流れるような表現を加えることにしました。

火山のモデリング
火山は3ds maxTMを使用し、ディスプレイスメントマップで表現することにしました。
ベースとなる山の形状はCOREL BRYCE(R) を用いて作成し、その過程で作成される地形マップをそのままディスプレイスメントマップの素材として使用しています。
BRYCEによる地形マップと3ds maxでの火山形状

隆起のアニメーション
火山のマテリアル設定 火山の隆起アニメーションは、形状にディスプレイスメントマップを使用しているので、具体的にはマテリアルのアニメーションで行うことになります。単純にマップの強度を変化させるだけではなく、マスク素材を用いて部分ごとに変化量を変え、時間差が付くようにしました。

噴火で押し流される雲
火山と並び、もう一つ重要な要素として雲の表現がありました。噴火により、円形に押し流される雲です。厚みがあり、流体を感じる雲を作成するためにMayaFluid EffectsTMを使用して作成しました。ただし、円形に変化する過程はシミュレーションに時間がかかるため、Adobe AfterEffects TMの時間差マップエフェクトを用いて後処理でコントロールしています。 Fluid effectsによる雲にAfeterEffectsで穴を開けた素材

流れる溶岩
メタパーティクルによる流れる溶岩 噴火口から流れ出る溶岩は3ds max のメタパーティクルで作成しました。ダイナミクス計算を用いて溝を流れる動きをシミュレーションしています。火山本体とは別にレンダリングし、合成素材として使用しています。

火山の隆起表現
火山のシーケンスでは、他にも多数の煙や溶岩素材を用意し、街のマットペイントと共に最終合成はINFERNOにて行いました。他カットとのカラーマッチングや、カメラのブレ効果などを加え完成しました。

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Dec/2003
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