どろろ

Massiveを使用した群集シーン
映画『どろろ』群集シミュレーション
映画『どろろ』は2007 年1 月27 日より全国ロードショウ公開されました。

MassiveCGとは
MassiveとはMassive Software社が開発した群集シミュレーションソフトウェアです。Massiveで扱うキャラクターは「エージェント」と呼ばれ、設定されたパラメータを元に自律的に行動し、リアルな群集アニメーションを作成することができます。

『どろろ』における群集シーン
劇中における醍醐軍の回想シーンでは数万の兵士による戦闘を表現する必要がありました。実写での表現は困難であるため近景の兵士は実写で、遠景の兵士は全てCGによる兵士とし、自然な演技の群集を表現するためにMassiveを使用することにしました。下図は今回のワークフローですMassiveの作業を中心に解説します。

エージェントの作成
Massiveでは群集の要素となるキャラクターをエージェントと呼びます。エージェントの作成には、まずモデルデータが必要になります。形状モデル、質感設定、ボーン構造の構築、スキニングまでをMayaで行いました。形状とボーン構造、スキニング情報はそれぞれコンバートされMassiveに読み込みます。
次にブレインと呼ばれる行動パターンの定義を行います。ブレインはエージェントが自律的に行動するためのプログラムで、Fuzzyロジックと呼ばれるアルゴリズムを用いることで条件分岐を柔軟に定義することができます。さらにブレインで設計した行動パターンを元に、モーションキャプチャーの収録計画を立てます。モーションのブレンディングを考慮し、今回は計60モーションを収録することにしました。キャプチャーされたモーションデータは、ループ設定やブレンディングのためのタイミング設定を行い、アクションとして定義します。ここまでが群集の構成要素となるエージェントの作成となります。
モデリングされた兵士 ブレインのGUI

原寸のクモ+CG加工
Massiveでのシミュレーション撮影された実写素材はBoujou3を使用して3Dトラッキングを行いました。得られた特徴点を元に地形をモデリングし、Massiveに読み込みます。キービジュアルに従い、エージェントを地形に配置します。さらにフローフィールドと呼ばれる大まかな群集の移動方向を設定します。これにトラッキングで得られたカメラデータを加え、Massiveで群集シミュレーションを行います。

レンダリングと合成
Massiveのシミュレーション結果はRIB ファイルとして出力されます。RIBファイルとはRenderMan用のシーンデータですが、今回はRenderMan互換のレンダラー3Delight を使用してレンダリングを行いました。マテリアルやテクスチャは3Delightのシェーダとして設定しています。3DelightでレンダリングされたCG兵士をマットペイントと共に実写素材に合成し、完成映像となります。
3DelightでレンダリングされたCG兵士素材

Massiveとは
今回はMassive を使用した最初の作品であることもあり、試行錯誤をしながらの作業となりました。今後は実写撮影も含めたワークフローの整備やパイプラインの効率化、キャプチャースタジオとしての強みを活かし、より複雑なエージェントやライブラリの構築を行いながら、さらなる実績を積み上げていきたいと考えています。

『どろろ』公式HP:http://www.dororo.jp/

PDF Download:making_DORORO_071010.pdf
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Feb/2007
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